「億り人」ってどんな人?

最近、よくネット上で「億り人」という言葉をみかけます。
これは、仮想通貨などで資産1億円超えを達成した投資家のことです。
語源はとなったのは、2008年の日本アカデミー賞も受賞した大ヒット映画のタイトルから来ています。
最近、見かける機会が増えたのは、なんといってもビットコインを始めとする仮想通貨の高騰が理由です。

アベノミクスによる景気の回復もあって、株価もバブル以降で最高値を記録するなど、好調を続けていますが、それでも億単位の資産を形成するためには、相当の元手が必要でしょう。
一方、2009年にビットコインに最初についた価格は1BTC=0.07円でした。
それが2017年で最高値を記録した時には1BTCが200万円を越えていたのです。
2018年に入って相場が下落し、一時期よりも落ち着いてきているといはいえ、それでも1BTCはまだ120万円程度で推移しています。
もし、2009年に7円でビットコインを10BTC購入していたとしたら、あなたも億り人になれていたかもしれません。
仮想通貨で億り人になった人はどれぐらいいる?

それでは実際にビットコインを始めとする仮想通貨で億り人になった人はどれぐらいいるのでしょうか。
少し古いデータですが、2017年6月にツイッターを利用して行った調査では、実に366人が「資産が1億以上になった」、と回答しています。
その内、約3割にあたる102人が5億円以上になったと回答しているのは驚きですね。
2017年6月のビットコインの相場は20万円~30万円の間で推移していたので、今の相場を考えれば、億り人の数はもっと増えている可能性が高いでしょう。
ちなみに、同じ調査では、投入した元本についても調査しており、200万円前後という回答が6割を占めています。
単純に計算すると、50倍ものリターンがあったことになります。
そして、2017年6月から現在までビットコインを売却せずにホールドしていれば、今は時価総額が5億円以上、元本からみればなんと250倍に跳ね上がっていることになります。
これからはビットコイン以外で億り人を狙う?

現在の相場を考えると、さすがにこれからビットコインが短期間で何十倍にも価格が高騰する可能性は低いでしょう。
もし仮想通貨で億り人を目指すのであれば、ビットコイン以外の仮想通貨、いわゆるアルトコインに注目した方がよさそうです。
アルトコインで価格が暴騰した例としてよく挙げられるのがモナーコインの例です。
モナーコインは、海外で開発されることの多い仮想通貨の中では異色となる日本で開発された仮想通貨です。
コミュニティも日本語のコメントが多く、日本人にとって親しみやすいのが特徴です。
2017年当初、モナーコインの価格は3円程度に過ぎませんでした。
ところが、2017年12月にはなんと2,000円台にまで高騰しています。
さすがに行き過ぎたのか、仮想通貨全体の急落も相まって2018年1月現在は約680円となっていますが、それでも1年間で200倍以上です。
モナーコインの場合、「モナーコイン長者」(https://anban.info/mona)といって、たくさんモナーコインを所有しているウォレットの金額をアップしているサイトがあります。
こちらを見ると、2018年3月7日時点で、トップはなんと3,056,578,368円!となっています。
今から億り人になることを狙うなら、ビットコイン以外のアルトコインを所有するのが早道のようですが、アルトコインも千差万別です。
中には詐欺まがいのアルトコインも存在することから、「必ず儲かる」といった誘い文句には要注意です。
億り人になっても不安がつきない理由

もし、億り人になったとしても安心はできません。
仮想通貨で億単位の資産があるといっても、あくまでそれは時価評価額に過ぎず、キャッシュで1億円を所有しているわけではないからです。
2017年12月のピーク時、1BTCが200万円を越えていたビットコインも、年が明けた1月には120万円台と6割程度にまで下がりました。
それでも2017年当初から考えれば相当な値上がりであることは間違いないのですが、懸念されるのは、この先、どこまで価格が下がるのか、ということでしょう。
億り人の不安がつきないのには、ビットコインの普及がなかなか進まないことも原因の一つと考えられています。
投資対象としての盛り上がりと比較して、実際にビットコインで買い物ができる店舗は、通販で59件、実店舗で239件(2018年1月26日現在)しかありません。
ビットコインが値上がりしてきたことの背景には、これからビットコインの活用が進み、普段の買い物などで利用する機会が増える、という見方がありました。
価格が高騰する一方で、普及が進まないーこれはバブルなのではないか?という懸念がでてきたことが、価格の下落につながった可能性があります。
売却した場合には重い税負担

十分利益も出ているので売却、となると今度は税金の問題が出てきます。
国税庁では、ビットコインの売却益については、雑所得である旨をタックスアンサーという形で回答しています。
このタックスアンサーは、納税者からのよくある疑問に答えるための、いわばFAQのようなものです。
正式な法律解釈ではなく、また回答例でもビットコインに限定しており、他の仮想通貨についても同様の扱いになるのかどうかまでは示されていないものです。
しかし、現時点でビットコインをはじめとする仮想通貨に関して、オフィシャルに回答されたものがこのタックスアンサーしかないことから、売却益に関しては雑所得として分類されると考えるほかはないでしょう。
雑所得はその名のとおり、事業所得や給与所得などに分類されない、「その他」という扱いになりますが、他の分類に比べて不利な条件が設けられています。
他の所得と損益通算ができないため、たとえば本業の事業所得で赤字が発生していても、仮想通貨で得た利益と相殺することはできません。
さらに、雑所得の場合はその他の所得とすべて合計した上で課税され、しかも累進課税が適用されます。
もし、売却益で1億円を得たとすると、最高税率の45%が適用されてしまいます。
ほぼ半分が税金としてもっていかれる、と考えればその厳しさが理解いただけるのではないでしょうか。
まとめ
億り人をとりまく状況は、ビットコインが最高値を記録した2017年12月のイケイケムードから一転した印象があります。
ここで一度、重い税負担を覚悟の上で売却して利益を確定するか、それとも我慢してガチホ(ガチでホールド=本気で保有し続けるか)、難しい選択を迫られるようになってきました。
億り人になっても、悩みはなかなか尽きないようですね。
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